コンクリート診断
コンクリート診断とは、既存のコンクリートを対象として、その劣化の程度を診断することを指します。コンクリート診断方法としては、圧縮強度試験が一般的です。そもそもコンクリート構造物はコンクリートの圧縮強度を基に設計が行われており、躯体コンクリートからコンクリートの一部を採取し試験することで、設計で定めた圧縮強度が確保されているかの診断を行うことで、コンクリートが正常かどうかを確認できます。
調査項目としては、
- 圧縮強度の調査
- ひび割れの調査
- 中性化深さ調査
- 塩化物量の調査
- 鉄筋腐食の調査
- アルカリ骨材反応の調査
の大きく6つに分けることができます。圧縮強度調査では中性化の進行や塩化物の浸透など、劣化のしやすさを調査します。ひび割れの調査では、目視によりひび割れの形状・幅、発生位置などから劣化原因の推定や、補修工事の資料収集を目的に調査します。中性化深さ調査では、コンクリートコアによるサンプル採取やはつりにより中性化深さ(=腐食の進行状態)の測定を行い、中性化の進行状況を調査します。塩化物量の調査では、塩化物濃度を分析し、鉄筋の発錆限界である塩化物濃度が、コンクリート部材のどの位置にあるのか、また塩化物による鉄筋腐食がどの程度進行しているかを把握し、補修設計の資料を収集するために調査致します。鉄筋腐食の調査では、中性化の進行状況や、塩化物の浸透・含有量を調査し、腐食状況を把握した上で、今後どの様に劣化が進行するのか予測を行い、必要な対策を抽出します。アルカリ骨材反応の調査では、構造物の目視調査を行い、ひび割れ、生成物の発生状況、水分供給の有無などを把握するために調査致します。