学校の耐震改修事例
学校施設は、学習・生活の場としての教育環境として重要な意義を持つと同時に災害時には周辺地域の方々の応急避難場所としての機能も重要な役割です。
したがって、学校施設は最優先事項として「安全」「安心」でなければなりません。災害時に学校が壊れてしまっては緊急避難場所として機能できません。そういった意味でも学校は地震のような大災害に耐えうる建物で無ければなりません。
全国で耐震機能を備えていない学校は、2008年度の調査では、全体の37.7%に上り、47949棟にも及びます。学校の耐震は急務だと言えます。
それでは学校の耐震診断調査風景を見てきましょう。
学校耐震改修事例 水海道西中学校を改修致しました。
- 1.コンクリート躯体コア抜き
躯体に穴を開け、コンクリートコアを抜き取ります。
そのコアを建材試験センターにて、圧縮強度試験等、コンクリートの調査を行います。
- 2.鉄筋探査
電磁波式鉄筋探査機(フェロスキャン)を使用し、コンクリートを傷つけられない箇所に配筋された鉄筋の配置・仕様を計測します。
- 3.コンクリート躯体ハツリ
コンクリートの表面を削り、内部の鉄筋の詳細を確認します。また、中性化調査も同時に行います。
- 4.コンクリート躯体中性化深さ計測
採取したコンクリートコア(若しくはコンクリート素地)にフェノールフタレイン液を拭きかけ、反応色によってコンクリートの中性化進行度合いを調べます。(赤く染まれば正常です。)
- 5.柱傾き計測
柱の傾斜を測定することにより、建物そのものの傾きそして耐力の低下度合いを調べます。
- 6.レベル測定
床のレベルを測定することにより、地盤沈下量を測定します。
- 7.鉄筋溶接部調査
鉄骨の接合部(溶接部)の検査を行い、当時の溶接が適切であったかを検査します。
- 8.ひび割れ調査
躯体のひび割れ(クラック)の両・大きさを調べ、躯体の劣化度合いを判定します。
- 9.現況部材実測調査
現況の躯体と設計図書との整合性を確認し、当時の設計に違法性はなかったか、施工は適正であったかを確認します。
- 10.シュミットハンマー コンクリート圧縮試験
コンクリートに打撃を与え、返ってきた衝撃により強度を計測します。建物に損傷を与えずに検査ができます。
このようにあらゆる角度から、学校の耐震診断調査を実施し耐震補強工事に移ります。
学校を耐震補強することで地域の皆様に「安全」「安心」を提供させていただいております。